カードローンと住宅ローンの違い
カードローンと住宅ローンの大きな違いは、借り入れするお金の利用目的です。
カードローン | 住宅ローン | |
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目的 | 限定されていない ※事業性のある借り入れは不可 | 住宅の購入・新築・リフォームなど |
借り入れの流れ | 審査通過後、契約中は借入可能額内で何度も借り入れできる | 仮審査、本審査を経て 契約後に融資 |
借り入れできる金額 |
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※上記は一般的な例です。
カードローンとは使い道が自由な個人向けのローン
カードローンは、一般的に資金使途に制限がありません(事業性のある借り入れを除く)。生活費や冠婚葬祭などさまざまな目的で借り入れできます。カードローンで借り入れできる金額は、審査によって決まります。審査のおもな項目は、申込者の属性情報(年収や雇用形態など)や、信用情報(借入履歴など)です。
カードローンは、金融機関によって定められた借入可能額を超えない範囲であれば、回数の制限なく借り入れできます。
消費者金融や信販会社など「貸金業者」のカードローンは、貸金業法上の総量規制の対象となります。総量規制とは、貸金業者に対して契約者の年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁止する規制のことです。これは、消費者の借り過ぎや、貸金業者の貸し過ぎを防ぐために設けられています。
銀行は貸金業者ではないため、銀行のカードローンであれば総量規制の対象外です。しかし、銀行も消費者の借り過ぎや、金融機関の貸し過ぎを防ぐ目的で独自で規制を設けています。銀行でも年収の3分の1を大幅に超えた借り入れをすることは難しいと考えられるでしょう。
住宅ローンとは住宅にかかる資金の専用ローン
住宅ローンは、住宅の購入やリフォームのために利用できるローンです。金融機関により対象が異なるケースもありますが、おもに以下のような使途があります。
✔住宅ローンの資金使途の対象(例)
- 新築物件の購入(戸建・集合住宅)
- 中古物件の購入(戸建・集合住宅)
- 住宅の新築
- リフォーム
- 住宅ローンの借り換え
住宅ローンを利用する流れは、住宅の購入にあたり家や土地を決め、仮審査に申し込みをします。購入する住宅が決定した際に本審査が行われ、実際に住宅の購入代金が融資されます。
住宅ローンの審査は、借り入れをする方の属性情報と信用情報に加えて、返済比率(年収に対するローンの返済額の割合)などの項目も含めて行われており、返済比率が考慮されるのは、カードローンと異なる点です。
住宅ローンは、総量規制の対象外となる「除外貸付」に該当します。年収は審査の要素のひとつではありますが、総量規制のように年収を基準とした融資金額の上限は決められていません。
カードローンの利用が住宅ローンの審査に影響するケース

カードローンの利用履歴がある方が、必ず審査に落ちるとはかぎりません。ただし、カードローンの利用状況や延滞履歴などによっては審査を通過できない場合があります。
カードローン契約が住宅ローンの審査に影響する可能性がある3つのパターンを紹介します。
現在カードローンを契約している
現在カードローンを契約中で、借入可能額の上限に近い金額を借り入れていたり、複数社のカードローンを契約していたりすると審査に影響する可能性があります。
「いくら借り入れしていれば審査に影響する」といった具体的な基準はありませんが、現在カードローンを返済中であれば、新たな借り入れをせず、完済したあとに住宅ローンを契約するほうがよいでしょう。
返済を延滞したことがある
カードローンの返済に遅れてしまったことがあるときも、住宅ローンの審査に影響があるといわれています。借り入れの管理能力などが不十分であると考えられる可能性があるためです。
延滞の記録は契約期間中および契約終了後5年間記録されます。返済がどれくらいの期間遅れると信用情報として記録されるかは明確ではありませんが、可能性のひとつとして把握しておくとよいでしょう。
解約しても返済の延滞履歴があると審査に影響する
カードローンを解約していても、契約中に延滞があった場合は住宅ローンの審査に影響する可能性があります。
信用情報として記録された情報は契約期間中および契約終了後5年間記録されているため、すでに解約をしているカードローンであっても、住宅ローンの審査への影響があるかもしれません。
完済したがカードローンの解約をしていない
カードローンを完済しており、新たな借り入れをしていなくても、カードローンの解約をしていないと審査に影響することもあります。
借り入れはしていなくても解約していなければいつでも借り入れできる状態であると考えられるためです。カードローンを利用する予定がなく、住宅ローンの審査を受けるのであれば、カードローンは解約したほうがよいでしょう。
住宅ローンの審査時にカードローンの利用履歴はばれる?
住宅ローンの審査を受けるために記入する申込書には、カードローンやクレジットカードでのキャッシング、そのほかのローンの借入状況を申告する欄があるため借り入れの有無がばれます。
申込書の欄に記入しなかった場合でも、信用情報をもとに審査が行われるため、カードローンの利用履歴がばれないままで審査に進むことはありません。現時点で借入中の場合や、完済したのが5年以内の場合であれば、信用情報が残っているため、カードローンの利用がわかります。
カードローンの利用履歴がばれたくないときは、完済や解約から5年経過したあとに住宅ローンの申し込みを行うとよいでしょう。
ただし、借り入れの履歴が必ずしも審査にマイナスの影響を与えるとはかぎりません。毎月滞りなく返済できていれば、金銭の管理ができている、返済能力があるといった評価につながるケースも考えられます。
住宅ローンの審査に落ちた理由はわかる?
「なぜ住宅ローンの審査に落ちたのか」といった理由を知ることは基本的にできません。多くの金融機関では、審査に落ちた理由を申込者に開示していません。落ちた理由は1つだけではなく総合的に判断されており、一概にいえないためです。
審査に落ちた原因を調べるために、信用情報機関で信用情報を確認する方法があります。審査の判断には申込者の属性情報等も含まれていることから、信用情報を見れば必ず判明するわけではありませんが、信用情報には、クレジットカードやローンの契約状況や延滞履歴などが残されているため、審査に影響したポイントが見つかるかもしれません。
信用情報は、「CIC」や「JICC」といった指定信用情報機関で手続きをすると閲覧可能です(手数料がかかります)。
住宅ローンの審査前にしておきたいこと

住宅ローンの申し込みに向けて事前に備えておきたいポイントを解説します。ただし、カードローンの借入状況や金融機関の審査基準によって異なるため、審査に通るか不安な場合はまず金融機関の担当者に相談してみるのがおすすめです。
不要なカードローン・クレジットカードは解約する
完済後、新たに借り入れる予定がないカードローンや、利用していないクレジットカードは解約をするとよいでしょう。
カードローンの借入経験がある方は、解約ができているかを確認してみてください。不明な方は、利用した金融機関へ問い合わせするのもよいでしょう。
完済証明書を取得する
完済証明書とは、借り入れを完済したことを示す書類です。
カードローンを完済したあと、金融機関にメールや電話で完済証明書を取り寄せたい旨の連絡をすることで入手できます。金融機関によっては、残高証明書など名称は変わりますが、同義の書類が発行されます。
完済証明書があれば必ず住宅ローンの審査を通過するというわけではありませんが、現在の状況を示す書類として提出するのもよいでしょう。
よくある質問
カードローンの利用は住宅ローンの審査でばれますか?
住宅ローンの申込書には、借入状況を記入する欄があります。
カードローンやクレジットカードでのキャッシング、そのほかのローンの借入状況に関する項目であり、記入する必要があります。
借入状況に記入をしなくても、信用情報機関には借り入れの状況や申し込みの履歴が残っているため、ばれないまま審査が進むということはありません。
なぜ住宅ローンの審査でカードローンの借り入れを申告するのですか?
カードローンの利用履歴から、申込者の返済能力などを確認するためです。
住宅ローンの審査をする際に、信用情報の確認が行われます。信用情報には、カードローンの利用状況や申し込みに関する履歴が記録されています。
延滞の履歴があると、住宅ローンの審査に通りにくくなる可能性が高まる場合もあります。
住宅ローンの審査に影響するのはカードローン以外に何がありますか?
クレジットカードのキャッシングも住宅ローンの審査に影響する場合があります。
利用していないカードローンやクレジットカードは解約するとよいでしょう。
住宅ローンの返済中にカードローンは利用できますか?
住宅ローンの返済中であっても、カードローンの申し込みは可能です。住宅ローンを契約しているという理由だけで、申し込みができない、審査を通過しないといったことはありません。
ただし、カードローンの利用にも審査があります。申し込みの前にシミュレーションを行い、無理のない範囲で借り入れを行いましょう。
※シミュレーションの際は最も高い金利を入力するなど余裕を持った返済計画を立てましょう。
住宅ローンの審査ではどのような項目を確認されていますか?
住宅ローンの審査では、以下のような項目が重視される傾向があります。
- 完済時の年齢
- 借入時の年齢
- 健康状態
- 年収
- 勤続年数
- 担保の評価(有担保の場合)
- 信用情報
- 返済比率
傾向として上のような点が重視されますが、実際に審査に通過する基準は金融機関によって異なり、一般向けに公開されていません。