カードローンの一括返済とは:借入残高と利息を全額まとめて返済すること
カードローンの一括返済とは、その時点の借入残高と利息を全額まとめて返済し、完済することです。
カードローンの返済は、毎月決まった金額・決まった日に返済していく「約定返済」が一般的ですが、自分の好きなタイミングで残高の一部を返済する「繰り上げ返済」や、残高を一括で返済する「一括返済」も利用できます。一括返済は、ご自身の都合や資金の余裕にあわせていつでも利用できます。

一括返済と聞くと、クレジットカードの一括払いのような支払方法が浮かぶかもしれません。
クレジットカードのショッピングの一括払いは1回目の支払いで全額払いますが、カードローンの一括返済は何回か返済をしたのち、その時点の借入残高と利息を全額返済することを「一括返済」と呼ぶケースが多いです。
カードローンの一括返済をするメリット
カードローンの一括返済には、以下のようなメリットがあります。
- 支払総額を抑えられる
- 融資枠に空きができる
- 信用情報に完済の記録が残る
支払総額を抑えられる
一括返済をすると、毎月の約定返済のみで返済した場合と比べて返済期間を短縮できるというメリットがあります。短期間で完済できれば、完済以降の利息の支払いが不要となり、結果的に支払総額が減る仕組みです。

利息は日割りで計算され、完済までの期間によって支払利息の総額が変わります。返済が長期になるほど支払利息が増えるため、早く一括返済をすれば支払総額を抑えられるでしょう。
ここでは支払利息を、以下の式で求めるものとします。
支払利息額=借入金額×金利÷365日×借入日数
例として20万円を金利年15.0%で借り、60日後に一括返済した場合と、10日後に一括返済した場合の支払利息を比べてみましょう。
元金 | 金利 | 借入日数 | 支払利息 | |
---|---|---|---|---|
例1 | 20万円 | 年15.0% | 60日 | 4,931円 |
例2 | 20万円 | 年15.0% | 10日 | 821円 |
60日後に一括返済した場合の支払利息は4,931円ですが、10日後に返済した場合の支払利息は821円です。10日後に返済すると、60日後に返済するときと比べて50日分の利息を支払う必要がなくなるため、支払総額を抑えられます。
融資枠に空きができる
カードローンを一括返済すると、融資枠にその分の空きができて、再度借り入れが可能になります。
例えば融資枠が50万円で49万円を借り入れしている場合、残り1万円しか追加で借り入れできません。一括返済すれば49万円分の枠が空くため、再度50万円借り入れられるようになります。
カードローンは「融資枠内で何度でも自由に借り入れできる」のがメリットです。融資枠に余裕があれば、急に大きな出費があった際にも対応しやすいでしょう。
信用情報に完済の記録が残る
カードローンの申し込みや利用状況、完済などの信用情報は、信用情報機関に記録が残ります。信用情報機関とは、消費者と金融機関の健全な信用取引を支えるために、加盟する金融機関から登録されるクレジットやローンに関する信用情報を扱う機関です。
カードローンを完済した記録があれば「問題なくローンを契約できるユーザーである」という評価を得られ、今後クレジットカードやローンの審査においてよい影響を与える可能性があります。
カードローンの一括返済をするデメリット
カードローンの一括返済にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 返済にはまとまった資金が必要である
- 手続きに時間を取られる場合がある
返済にはまとまった資金が必要である
一括返済をするには、ある程度まとまった資金を準備しなければなりません。1日でも早く返済することは大切ですが、生活のためにある程度の預貯金や蓄えを残しておく必要があります。
無理な返済を行った結果、生活費が足りなくなって新たに借り入れが必要になるケースもあるため注意しましょう。
手続きに時間を取られる場合がある
一括返済は約定返済の返済方法と異なる場合があります。
例えば、毎月決まった日に口座引き落としで約定返済をしている方でも、一括返済をする場合は事前に申し込みをしたり、銀行に出向いたりすることが必要となる可能性があります。
自分で振込金額を入力する必要があるかもしれないため、借入金額や支払利息額を正しく把握しましょう。一括返済した金額に過不足があると、スムーズな完済とならないため注意してください。
カードローンの一括返済のやり方
ここでは、カードローンの一括返済の流れを説明します。
- 借入残高と利息を確認する
- 返済方法を選択する
- 必要な金額を返済する
- 必要に応じて完済証明書の発行を依頼する
1.借入残高と利息を確認する
カードローンの会員ページ等にログインし、借入残高を確認しましょう。利息は1日単位で変動するため、返済日が変わると返済金額も変わります。返済日を決めたうえで残高と利息を確認してください。
会員ページで残高と利息を確認できない場合は、金融機関に電話などで問い合わせましょう。
2.返済方法を選択する
一括返済の方法は金融機関によって異なるため、必ず確認しましょう。
金融機関によってはATMでの返済に対応している会社もあります。振り込みやATMによる返済は、別途手数料がかかる可能性があるため、注意しましょう。
3.必要な金額を返済する
選択した返済方法で、必要な金額を返済しましょう。借入残高と利息を確認した当日に入金ができたら、完済したことになります。
借入残高と利息の確認後から入金までに期間が空くと、その分の利息が必要になります。入金のタイミングによって返済に必要な金額が変動しますので注意してください。
必要に応じて完済証明書の発行を依頼する
完済すると、完済したことを証明する「完済証明書」を発行してもらえる場合があります。「完済証明書」は、住宅ローンやマイカーローンの審査を受けるにあたって必要になることがある書類です。
完済証明書発行の依頼方法は金融機関によって異なるため、借入先の金融機関のWEBサイトで確認してみてください。
一括返済で注意したいポイント
一括返済を行うにあたって注意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 一括返済は計画的に、無理のない範囲で行う
- 返済時にはATMの手数料や支払額の端数に注意する
- 一括返済が済んでも解約にはならない
一括返済は計画的に、無理のない範囲で行う
自分の預貯金や蓄えを無理に切り崩してまで一括返済をすると、生活を圧迫してしまう可能性があります。一括返済は家計の状況にあわせて、無理のない範囲で行いましょう。
支払総額を減らしたいものの、一括返済を行ってよいか悩む方もいるかもしれません。以下に当てはまる場合は、一括返済を検討してもよいでしょう。
- 一括返済をしても、生活資金に影響がない
- 直近で大きな出費が必要になる予定がない
- 毎月の家計に余裕がある
一方、以下に当てはまる場合は、無理に一括返済を行わないのがおすすめです。
- 一括返済を行うと、預貯金や蓄えが極端に少なくなる
- 近いうちに大きな出費を伴うライフイベントがある
- 毎月の家計に余裕がない
一括返済が難しい場合、残高の一部を返済する「繰り上げ返済」を検討するのも一つの方法です。臨時収入があったときに繰り上げ返済を行うと、本来支払う予定であった利息を減らせます。
返済時にはATMの手数料や支払額の端数に注意する
ATMで返済する場合、入金額に対し、まず手数料が差し引かれます。そのため残余が返済にまわり、残高に満たなくなってしまうことがありますので注意が必要です。
また、ATMから一括返済を行う場合は、硬貨に対応していない機種があるため注意しましょう。例えば一括返済の総額が100,001円の場合、硬貨を扱っていないATMでは101,000円を入金することになります。超過分は登録している口座に後日返金されるのが一般的です。
一括返済が済んでも解約にはならない
解約とは、完済したうえで今後そのカードローンが使えないよう契約を解除することです。一括返済をしても借入残高がゼロになるだけで、カードローンを解約したことになりません。基本的に自分で解約手続きを行わない限り解約にならないため、注意してください。
よくある質問
カードローンを一括返済するメリット・デメリットは何ですか?
カードローンを一括返済すると、以下のようなメリット・デメリットがあります。
- 支払総額を抑えられる
- 融資枠に空きができる
- 信用情報に完済の記録が残る
- 返済にはまとまった資金が必要である
- 手続きに時間を取られる場合がある
一括返済をすることで、支払利息の総額が減るのはなぜですか?
一括返済をして短い期間で完済できれば、完済以降の支払利息が不要となり、毎月の約定返済のみで返済した場合に比べて支払総額が減ります。
スマホATMやカードを使って一括返済できますか?
スマホATMやカードでの返済時は端数が残って一括返済できないことがあります。ATMで返済する場合、入金額に対し、まず手数料が差し引かれます。そのため残余が返済にまわり、残高に満たなくなってしまうことがありますので注意が必要です。
一括返済を求められる場合はありますか?
約定返済の期日を過ぎても一定期間返済しなかった場合に、金融機関側から一括返済が求められることがあります。ただし、金融機関に相談をすれば、分割返済に応じてもらえるケースもあります。一括返済が難しい場合には、必ず金融機関に相談しましょう。
カードローンを一括返済したら、返済完了のお知らせなどは届きますか?
完済しても基本的に返済完了のお知らせは届かず、解約しない限りいつでも借り入れできる状態が続きます。完済したかを確かめたい方は、カードローン会社に借入残高がゼロになっているか確認してみましょう。また、会社によってはアプリやWEBサイトから会員ページにログインして確認できる場合もあります。